お電話
メール
アクセス
ホームボタン

自律神経失調症

自律神経の乱れによる全身の痛みが改善した症例ー奈良県天理市50歳代女性

初診時の症状


喉のつまり、肩から腕のしびれ、背中から下肢にかけてのピリピリ、ジンジンする感じ

特に背部から胸部の圧迫感が強く(ご本人は圧縮されている感じと訴える)体を起こすことが困難で全身の痛みを訴えられていました。医科ではシェーグレン症候群、線維筋痛症の免疫障害並びに自己免疫疾患疑いということでした。

ご本人の感想


①荒木整骨院に来るきっかけ
総合病院精神神経科で自律神経失調症と診断され通院と内服薬で経過観察をしていたが改善せず、様々な課を受診し検査をしたが異常なし。
これだけハッキリした症状があると言う事は体の中で物理的に何かおきていると感じ1度視点を変えてみることにした。


あちこちにある整骨院をネット検索していると共通して書かれていたのが「痛くない施術」で決めかねていた。
その点、荒木整骨院は「物理的な面から施術を行う」と概要欄に書かれており「物理的な」のワードが目に付いたことが決め手となり通うきっかけになった。




②施術を受ける前の症状や悩み
◤症状◢
・喉や食道の詰まり
・舌が寸足らずになり、ろれつが回らずハッキリ言葉に出来ない
・継続的に話せない
・胸部あたりが重圧かかるような苦しさと違和感
・肩甲骨や両脇の骨がぎゅーっと圧縮かかるような症状
・全身の動きがユラユラと体を持っていかれ2、3mの距離すらまともに歩けずふらつき手すりがないと怖い
・15分も立っていられない
・手足のあちこちに痛み
・手の痺れや麻痺に近い症状
・手の指先に力が均等に届かずお箸が上手く使えない
・高血圧が続く(例182:110)


◤悩み◢
・その都度、症状に対して処方されるが薬は増えるばかりで改善されない
・家事もまともに動けず出来ない為、横になっているしかなく何も出来ないこと
・入院して環境を変える、もしくはセカンドピニオンが必要なのかどうか?
・どちらの方角を向けば良いのか全く分からず悩んだ


※診てもらえる科は全て受診しみた
【耳鼻科】
●咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)、別名ヒステリー球⋯心配ごと・ストレスで引き起こる場合があると説明を受ける。
もしくはアレルギー。
=食道の検査=
喉にできものや感染による異常もなく耳鼻科で対処できる事がないと言われた。
 
【消化器内科】
●胃酸逆流症⋯胃酸が逆流して喉の詰まりを引き起こす場合がある。
=胃カメラ検査=
結果異常なし


【脳神経内科】
●手の痺れ麻痺の面から診て貰う事にした
=5つの検査=
⑴脳波⋯数年前てんかん発作の経験があり現在の最新状態を知るため実施
⑵MR
⑶体制感覚誘発電位電気検査
⑷誘発筋電図検査
⑸採血⋯甲状腺ホルモン数値的には問題がない。特に甲状腺などで原因はないと言う所見。
⑴~⑷の検査結果についても異常なし


=検査1年後、痛みが悪化=

・ビリビリと電気が走るような痛み
・ジンジンと痺れるような痛み
・チクチクと針で刺すような痛み
→上記(1)~(5)の再検査を実施
検査結果は異常なし


【整形外科】
●肩や肩甲骨の骨が操り人形のような違和感があると伝えた
診察後、特に役に立てることはないと言う所見。


【街の総合内科で意見も聞いてみた】
自律神経失調症と言われた


③実際施術を受けてどう思ったのか(気持ちの変化・安心感・驚きなど)
・ 2024年2月から通い始め夏の間までは苦しさや痛みなどの症状で体を引きずりながら必死で週1通い続けた。
夏過ぎ頃体調に少し余裕が出てきたのか季節が秋を迎える頃、新商品で模様替えされた店内を見るとワクワクし楽しくて仕方がないと言う気持ちに変化した。
施術後は帰宅するまでの間だけでも症状がラクになるので通い続ける事に意味があると安心感を持てた。


当初の体力に合わせて無理のない範囲で出来るセルフケアを指導して下さるのでプレッシャーにならずに済んだ。
通い始めた年の秋頃から好きな土いじりが少しずつ出来るようになり、今年の春には1番好きな音楽を聞きに奈良から大阪までライブに行ったり出来なかった家事など少しずつ出来るようになり、いつの間にか横になる時間がなくなっている事に私や家族も驚いています。


④通院することでどのような変化があったのか
・自分の事を客観視出来るように変化が見受けられるようになった。
・完璧主義から少し遠のく事ができ調子が悪い時は悪いように休む事を取り入れながら過ごせるようになった。
・無理をする癖が減った


⑤他の整体・治療との違いなど印象に残ったこと
地元の整体に通っていた頃はセルフケアが1つずつ増えていくのでプレッシャーと気持ちがしんどくなっていた。
ラクになっていけているのかどうか分からない状態だった。
西洋医学で内服している薬より荒木先生の施術を受けると気さくな会話をして下さるので、会話の中から家で自分でも試して見ることがひらめいたり、言わばカウセリングのような雰囲気で心のつっかえ棒が取れたりするので前向きになれる事が印象的。

自律神経失調症の症状が顕著である
自律神経失調症姿勢改善

初診時の姿勢状況について


足底圧の状態を見ると、左右ともに後方荷重であり、かかとに重心がかかっています(左前方31%・左後方69%、右前方31%・右後方69%)。左右のバランスは、左下肢47%・右下肢53%とやや右加重です。

後方荷重については、側方からの画像で背部が後方に位置しており、黄色の矢印で示されるような力の作用線が考えられます。この力は、患者さんが訴える「誰かに背中を後ろに引っ張られている感じ」と一致しています。

また、上半身に対して下半身が前方に倒れやすい傾向があり、その結果、大腿部の前方に筋肉の過緊張が起こり、「ピリピリ・ジンジンとした感覚」が生じているのではないかと推測されます。

さらに、上半身が右に傾く傾向があるため、右大腿部前面にストレスが集中しやすく、「脚に鉄の棒が入っているような感じ」という症状とも一致しています。

このように、足底圧の約7割がかかと側に集中していることから、重心線が後方に偏った不安定な立位姿勢になっていると考えられます。この状態では、少し気を抜けば転倒してもおかしくありませんが、実際に転倒することはなかったようです。

その代わりに、自律神経が転倒を防ぐために過剰に筋肉を緊張させていたのではないでしょうか。症状は約1年前から出始めたとのことですが、その間ずっと自律神経が働き続けていたと考えれば、筋疲労があっても不思議ではありません

また、このような状態が長期間続くことで、自律神経が疲弊し、交感神経と副交感神経のバランスが乱れていた可能性もあります。

実際の自律神経の測定結果では、バランスの問題以前に、活性度やストレス耐性が著しく低下していることが示されていました。

しかし、患者さんご本人は「立っていると抑えつけられるように感じる」とのことで、横になる時間が長く、筋肉が疲れているとは思っていなかったようです。実際に横になると楽になるため、朝から横になっていることも多かったとのことでした。そのため、ご自身ではこの状態を「体の問題ではなく心の問題ではないか」と心配されていました。

施術と並行して、生活環境やこれまでの仕事の経歴、性格や考え方なども伺いながら、心と体を客観的に評価した結果、心の疲弊の背景に体の疲弊があるのではないかと仮定し、体への負担となる要因を探り改善に努めました。

その結果、症状の改善がみられるようになり、自律神経の測定結果も改善傾向を示しました

ご本人も、施術の中で自身のことを話すうちに、自分の状態を客観的に捉えられるようになり、ある時ふと、

「負担をかけてたんかなぁ…っていうか、ちょっと体を使いすぎてたんかなぁ。合ってるかどうか分からないけど、いろいろ自分でやることを詰め込みすぎたのかなぁと思って…」

と話されました。

そのとき、ご本人が自ら答えを見いだされたことに驚き、同時に、心身の回復の兆しを感じました。

最近の姿勢状況について


足底圧が全体に分散しバランスが良くなる  頭から上半身、下半身と自然な直線が生まれる
自律神経測定チェックによるデータ出力 左から右に時間経過にともない、総合評価点が経過を追うごとに上昇する

足底圧の状態は、初診時には左右ともに後方加重(前方31%・後方69%)であったが、現在は左足が前方45%・後方55%、右足が前方46%・後方54%と、前後のバランスが改善されている。
また、左右の荷重バランスもほぼ50%・50%となり、より左右対称に近づいている。

これらの姿勢バランスの変化から、重心が身体の中心に集約されることで、より効率的に身体を支えられるようになり、不要なエネルギー消費が抑えられていると考えられます。

主訴の一つであった「起きていられないほどの疲労感」は、実際には立ち方や身体の使い方の影響による可能性もある。
一見、姿勢のわずかな乱れが線維筋痛症のような痛みを引き起こすとは信じがたいが、たとえば宇宙飛行士が無重力空間から地球に帰還した際、立ち上がることすら困難になるという事実を踏まえると、重力下で身体を支えるにはかなりのエネルギーを要することが理解できる。

本症例では、施術と並行して基礎体力の低下も認められたため、ご自身のペースで体力づくりにも取り組んでいただきました。
さらに、日常生活の中で身体への負担を減らす動作を意識的に実践することで、体力の消耗が抑えられ、症状の改善につながったと考えます。



力を抜いた古武術の居合構え
執筆者 荒木淳一
柔道整復師・鍼灸師
古武術の「型」稽古歴26年
型に隠されている力を否定した動作を求めて術を探求する。
力を抜く構えづくりをコンセプトに整体施術を行う。

関連記事

最近の記事
  1. 自律神経の乱れによる全身の痛みが改善した症例ー奈良県天理市50歳代女性

  2. 「脱力」と「力を抜く」の違いについて-古武術の観点から

  3. 肩こりで腕がしびれる・だるくて眠れない改善症例ー京都府木津川市40歳代女性