緊張を解消し、胃腸へのストレスを軽減する
胃腸の異常症状は、交感神経が過剰に働くことによって起こる自律神経の乱れが原因となることがあります。リラックスを担当する副交感神経が働くべき時に、興奮や緊張を調整する交感神経が過度に活性化している状態を修正することが、これらの症状の改善につながります。
自律神経失調症の原因となるストレスとは、心身に過剰な負荷がかかり、身体の調整がうまくいかなくなった状態です。交感神経と副交感神経のバランスを運動学的にも東洋医学的にも修正し、症状の緩和を目指します。
自律神経失調症による食道・胃・腸へのトラブル
- 逆流性食道炎
- 食道裂孔ヘルニア
- 機能性ディスペプシア
- 過敏性腸症候群
逆流性食道炎
生活習慣
前かがみの姿勢が多い人は、胃に圧がかかり、食道を圧迫したり、胃を上方に押し上げたりします。
症状
- 胸やけ、みぞおちの痛み
- のどまで胃酸が逆流した場合、のどの違和感や、喘息のような咳症状が出ることがあります。
セルフチェック
- 胸やけ、胸のむかむか感
- 酸っぱいものがこみ上げる
- 胃もたれ
- 食べ物がのどや胸につかえる感じ
- 前かがみになると胸やけが強くなる
- お腹が張っている
- 喉がつかえる感じ
- げっぷが頻繁に出る
姿勢の習慣
- デスクワークで長時間座りっぱなし
- 猫背姿勢でスマホやPCを長時間使用している
- 畑作業や草抜きで前かがみの作業が長い
- お腹を突き出して立つ姿勢になる
- 加齢により背中が曲がる
原因
近年増加している逆流性食道炎は、猫背姿勢が習慣化したことが一因と考えられます。猫背姿勢では、胸郭がお腹を上から押さえつけ、その結果、横隔膜が下方に下がり胃の上部が下がります。この状態が食道裂孔ヘルニア(胃が一部食道の下部に飛び出す)を引き起こすことがあります。
食道裂孔ヘルニアについて
食道裂孔ヘルニアは、食道と胃の接合部が胃の一部と共に横隔膜より上に突出した状態で、通常、胃の上部は横隔膜の下にあります。この隙間が緩むことが原因とされ、特にお腹の圧力が高まると食道裂孔が引き延ばされる可能性があります。猫背姿勢や前かがみの姿勢が長く続くと、胸部が圧迫され、食道裂孔を広げることになります。
このような圧迫の原因を改善するため、姿勢を正すことが重要です。正しい姿勢と生活習慣の見直しにより、猫背による負担を軽減し、食道裂孔ヘルニアによる症状を予防することができます。
機能性ディスペプシア
機能性ディスペプシアは、器質的な疾患や代謝異常がないにも関わらず、心窩部(みぞおち)を中心に、腹部症状(みぞおちの痛みや胃もたれ)が現れる疾患です。検査では異常が見つからず、胃の機能低下が原因と考えられています。かつては「ストレス性胃炎」「神経性胃炎」「慢性胃炎」と呼ばれていました。
症状
- 食後のもたれ感
- 少し食べただけでお腹がいっぱいになる
- みぞおち辺りの痛み
- 胸やけ
- 吐き気
- げっぷ
- みぞおちの焼けるような痛み
生活習慣の改善
生活習慣の見直しにより、自律神経の乱れが改善されます。精神的ストレスや身体的ストレス(気づいているものと気づいていないもの)が胃に負荷をかけ、症状を引き起こすことがあります。当院では、負荷によって生じた歪みを解除することでストレスを軽減し、症状が現れにくい状態づくりを目指しています。
過敏性腸症候群
過敏性腸症候群は、大腸の運動異常によって現れる疾患で、医学的な検査では原因が特定されません。精神的なストレスや肉体的な刺激に腸が過敏に反応し、下痢や便秘などの症状が現れます。
症状
- 乗り物に乗っている最中や、プレッシャーのかかる場面で腹痛や下痢、便秘が起こることがあります。
原因とストレスとの関係
過敏性腸症候群は、ストレスによって腸が過剰に反応し、症状が現れます。ストレスによって腸の働きを調節する自律神経の調整が乱れ、緊張や不安が引き金となり、下痢や便秘などの症状が繰り返されます。
症状のタイプ
- 神経性下痢(下痢型): 朝、食後、出かける前や到着後に腹痛を伴い、下痢が現れる
- 痙攣性便秘(便秘型): 腹痛を伴い、水分の少ない少量の便が出る
- 交代制便通異常(交代型): 激しい腹痛を伴い、便秘と下痢を交互に繰り返す
東洋医学と過敏性腸症候群
脳と腸は自律神経やホルモンを通じて情報を交換しています。脳が緊張や不安を感じると、その情報が腸に伝わり、腹痛や下痢、便秘が引き起こされます。東洋医学では、脳を「こころ」と捉え、小腸との関係を精神活動と栄養吸収活動の表裏関係とみなしています。