姿勢改善により膝にかかる負担を軽くする整体
膝のレントゲンを撮ると「関節が変形している」「関節の隙間が狭くなっている」と言われた方、あるいは「膝に水が溜まる」「炎症がある」と診断された方も多いのではないでしょうか。膝にはさまざまなトラブルが起こります。
では、なぜこのような問題が生じるのでしょうか?
本当に「年齢のせい」なのでしょうか?
それとも、「片方の膝だけ年を取った」のでしょうか?
こうした疑問を考えるとき、見落としがちなのが「膝に負担をかける身体の使い方」や「姿勢の乱れ」です。
たとえ膝に直接的な負担をかける動作をしていなくても、日常の些細な姿勢の崩れ――たとえば、重心の偏りや脚の振り出しの角度、立ち方や歩き方のクセ――が、知らず知らずのうちに膝へ小さなストレスを与え続けています。
そのわずかな負担が、年単位で積み重なっていくことで、ある日、膝が悲鳴を上げる。関節に炎症が起きたり、水が溜まったり、軟骨がすり減ったりと、トラブルが表面化するのです。
多くの方は「痛みが出たから痛み止めを飲む」「軟骨が減ったからヒアルロン酸を注射する」「水が溜まったから抜く」といった“対症療法”に頼ります。しかし本当に必要なのは、その痛みが起こらない身体の状態をつくることではないでしょうか?
姿勢や重心バランスを整えることで、膝にかかる余計な負担は大幅に減らすことができます。
膝関節に過剰な力がかからない状態に導いてあげれば、関節の摩耗や炎症、水の貯留などのリスクも自然と下がっていきます。
つまり、「トラブルが起きてから対処する」のではなく、
「トラブルが起きにくい身体の状態を整える」ことこそが、本当の予防であり根本改善への第一歩です。
当院では、そうした視点から膝の不調に対して、全身のバランスを見直しながら丁寧に身体を整え、膝にかかる負担を軽減するアプローチをご提案しています。
膝が痛む、ねじれのパターン
奈良県生駒市40歳代女性
主訴
右膝の内側、ひざの曲げ伸ばし、特に立ち上がり時にひざ関節部に痛みが現れていた。
施術前

前方から観ると左腰から左膝にかけて後ろに下がり、左膝の位置が右膝に比べて後ろに引けています。

施術後

施術前後の合成画像
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腰と膝の位置修正後は、左右の骨盤を結ぶラインと左右の膝を結ぶラインとつま先を結ぶラインが平行になっています。
施術前

後方より観た際、左臀部が後ろに大きく張り出している事が見て取れます。また、左膝も後ろに下がっています。

施術後

施術前後の合成画像
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施術後は、臀部の大きさが左右均等になり、膝の位置も左右そろっています。以上から、つま先の位置がそろっていても腰の位置がねじれていれば、必然的に膝もねじれてしまいます。この位置関係を直す事が、先決ではないでしょうか。
膝が痛む、前傾姿勢のパターン
奈良県奈良市30歳代女性
主訴
両膝の痛み、特に膝を曲げると痛み、正座が出来ない。
痛みの現れる場所は、膝のお皿の辺りから上方に向かって太ももの下部にかけてに症状が現れていました。
施術一回目 → 施術二回目 → 施術三回目

初見での姿勢(左図)を側方から観察すると、足首から上の全体が前方に傾き、特にすね、膝、太ももが前方に倒れている様子がよくわかります。まるで、スターダンサーのダンスシーンのようです。
ダンサーの場合は、床からのフックを靴に掛けて姿勢を保っているように見えますが、何も支えのない状態でこのような前傾姿勢を維持するには、膝から太もも前面にかけての筋肉を過剰に緊張させなければ立っていられないことが理解できると思います。
足底圧力図を見ると、重心が両足のつま先寄りにあり、つま先に圧力がかかっていることがわかります(図中の赤い部分)。
主訴の一つに「膝が曲がりにくい」という訴えがあります。
膝を曲げるためには、太もも前面に付着する大腿四頭筋が弛緩する必要があります。しかし、この方のように常に前傾姿勢でいると、大腿四頭筋が常に緊張状態にあり、膝を曲げる際にスムーズに弛緩・伸張できない状態になっています。
その結果、太ももの裏側の筋肉を使って膝を曲げようとしても、前面の筋肉(大腿四頭筋)が伸びなければ、膝関節はスムーズに曲がりません。
主訴は膝関節の痛みですが、根本的に改善すべきは「前傾姿勢」です。
前傾姿勢が改善されると、太もも前面にかかっていた力学的ストレスが消失し、大腿四頭筋で身体を支える必要がなくなります。すると、膝を曲げるための筋肉が本来の機能を発揮しやすくなり、結果として膝の痛みも解消されていきます。
