
執筆者 荒木淳一
柔道整復師・鍼灸師
古武術の「型」稽古歴26年
型に隠されている力を否定した動作を求めて術を探求する。
力を抜く構えづくりをコンセプトに整体施術を行う。
Contents
初診の状況
初診は今から約30年ほど前になります。
その頃のデータは残ってはいませんが、一番古いデータは2007年6月で今から18年前の足底圧と画像が残っています。初診時には腰が引ける「へっぴり腰」が顕著に現れていましたが、この頃にはほぼ解消されています。しかし、重心線は後方(かかとより70%〜82%)にあり、厳密にはやや腰が引けていることになります。

「へっぴり腰」は、過剰に腰を反らせるため腰部にストレスが生じやすく脊柱管が狭窄しやすい状況といえます。
当時、腰椎脊柱管狭窄症の診断を受け、腰の痛みと間欠性跛行により、20分も歩けない状態でした。
当初は手術を検討されていましたが、手術の前に知人の紹介でご来院いただき、手術をしないで完治。
現在の状況
症状改善後も月に1〜2回のメンテナンスを続けていただき30年が過ぎました。
93歳を過ぎても精力的にボランティア活動中です。
上半身の傾きが認められるも足底圧は均一で安定的である。

西上様ご感想
施術を受ける際の体の状態やお悩み
1、61歳の定年になった頃20分程歩行すると腰が痛くなりしばらく休まないと歩けない症状が続いた。
2、平城宮跡や奈良公園とも「ボランティアガイド」をした日、帰りに両方の足首に「輪」が入った状態になり歩けなくなった。
3、就寝時両大腿部に痛みを感じ寝られない事がよくあった。
4、現在はおかげ様で安定した状況で過ごしているので過去のことはあまり思い出せない。幸せ!!
施術を受けての変化や感想
いずれの場合も施術後は「ウソ」のように痛みが消え自由に活動できるようになっている。
楽になった。
しかし、無理をすると再びぶり返すことがあったので、都度施術をしていただいている。
「100歳」まで人間特有の「直立2足歩行」の状態で過ごしたいので、日々十分〇〇(解読不能)しながら過ごしています。
その他感じたこと
1、先生の筋肉のアンバランスな使い方が痛みの原因とのお説には全く同感
2、外出しないときは掃除機で掃除をし、モップで床のふき掃除などをして筋力の保持に努めている。
3、無理なことはしない。常に体力、筋力維持に努めている。
4、ボランティアガイドで外出したりするときは、その前日までに施術を受けて良好な状態で行けるように努める。
5、100歳まで「直立2足歩行」の状態でいられるように今後も先生のお世話になりたいと願っています。
現在は、特に痛くない状態で過ごさせていただいています。
奈良市93歳男性
「なぜ痛みが出るのか?」その根本的な原因を探ります
脊柱管狭窄症による痛みやしびれ。当院では、単に「骨が狭くなっている」ことだけを見るのではなく、「なぜそこに負担がかかってしまったのか?」という姿勢の崩れ(体のゆがみ)に注目します。 腰に無理な力がかかり続けている「姿勢のクセ」を見つけ出し、それを整えます。その手段として古武術整体とレーザーを併用して改善に導きます。
体に優しい「古武術整体(柔らか整体)」とは?
当院の整体は、ボキボキしたり、強く揉んだりすることはありません。
● 「力を加える」のではなく「力を抜く」
一般的な整体では、強い力で姿勢を直そうとすることがあります。しかし、強く押されると体は反射的に「痛い!守らなきゃ」と緊張して硬くなってしまいます。 これでは、せっかくの施術も逆効果になりかねません。
● 体が自然にほぐれる感覚
「柔らか整体」は、古武術の知恵を応用した、不思議なほど優しい施術です。
- 無理に押さない: 体が「攻撃されている」と感じないように工夫された優しい刺激です。
- 自然に整う: 体の余計な力が抜けることで、筋肉が本来の柔らかい状態に戻り、姿勢が自然に整っていきます。
- 心地よい安心感: 強く押される感じが少ないため、「何をされているのかな?」と思うほど静かな施術ですが、終わった後の体の軽さを実感していただけます。
最新機器「スーパーライザーEX」により痛みの原因(組織の過緊張)の解除

手技に加えて、光の力を使った治療も行っています。
- どんなもの?: 第5のがん治療として期待されているがん光免疫療法にも採用されている特殊な光(近赤外線)を当てることで、体の深い部分の血流を良くし、痛みを和らげます。
- 当院ならではの工夫: ただ痛いところや硬い場所に当てるだけではありません。東洋医学の「経絡(ツボの通り道)」と古武術の感覚を組み合わせ、「この体はここが緩めば全身が緩む」という急所を見極めて照射します。
筋肉の緊張が解け、血管が広がることで、ご自身の体が持つ「治そうとする力」を助けます。
院長より一言
「もう年だから…」「手術しかないと言われた…」と諦める前に、まずは体の「力み」を抜いてみませんか? 無理な矯正をせず、体が本来持っている「無理や無駄のない楽なからだ」を一緒に取り戻していきましょう。そうなれば手術は不要です!
腰部脊柱管狭窄症の診断と治療(ガイドラインを中心に)
要旨
腰部脊柱管狭窄症は脊柱管の変性により馬尾または神経根が絞扼されるために、下肢のしびれや間欠性跛行を呈する疾患です。
「腰部脊柱管狭窄症は、腰の背骨の通り道が年齢とともに狭くなることで、足に行く神経が圧迫され、足のしびれや歩くとだんだん痛くなって休まないと歩けなくなる症状が出る病気です。」
要約
腰部脊柱管狭窄症の診断と治療に関するガイドラインと最新の知見を紹介します。
定義と概念
・腰部脊柱管狭窄症は、神経の通路が狭くなることで神経症状が出現する疾患。
・2011年に診断基準が提唱され、症候群として理解されるべきとの意見もある。
腰部脊柱管狭窄症とは
2011年に診断の目安が示され、「いくつかの症状が集まった状態」として理解するのがよい、という考え方もあります。
腰の骨の中を通る神経の通り道が狭くなり、足や腰にしびれや痛みが出る病気です。


引用:聖路加国際病院https://hospital.luke.ac.jp/guide/32_orthopedics/lumbar_spinal_canal_stenosis.html
臨床症状
・症状は馬尾型、神経根型、混合型に分類される。
・神経性間欠性跛行が重要で、前屈で症状が軽減することが特徴
症状について
- 腰痛
初期症状として腰痛が起こります。歩行や立っているとつらくなりますが、座ったり安静にすると症状がなくなります。
- 間欠性跛行
10分ほど歩くと足に痛みやしびれが現れ、長時間歩けない。
しかし、少し休めばまた歩ける。また体を前にかがめると症状が和らぐのが特徴です。

- 下肢の痛み・しびれ
下肢の症状は、大きく分けて「神経が影響しているタイプ(馬尾型)」「神経の通り道が圧迫されるタイプ(神経根型)」「その両方が混ざったタイプ(混合型)」の3つがあります。
それぞれのタイプは、下肢のどの部位に現れるかで障害されている神経が推定できます。通常、腰の下部での狭窄が多く現れる部位は、臀部から大腿後面、下腿外側、足背部にかけての症状、もしくは足底部にかけての範囲で症状が現れやすい。
- 運動障害による筋力低下
感覚障害と同じように障害されている部位の筋力が低下したり、運動障害(麻痺)が生じる場合は手術療法が適応されます。
- 排尿・排便障害
会陰部の感覚障害、尿閉、尿失禁等の症状は運動障害と同じく手術療法の適応となる。
画像診断
・MRIは非侵襲的で、腰部脊柱管狭窄症の診断に適している。
・単純ⅹ線では、変性や脊椎の変形を評価できるが、確定診断には不十分。
画像での調べ方
- 先ずは医科にて脊柱管狭窄症の診断を受けることが先決です。
- MRI(エムアールアイ)
体に傷をつけずに腰の神経の通り道の狭さを調べられます。腰の圧迫の具合を確認するのに向いています。脊柱管狭窄症の場合神経の絞扼部分が確認できる。 - レントゲン(X線)
背骨の形や変化はわかりますが、腰の神経の状態までははっきりわかりません。
保存療法
・軽度または中等度の患者の1/3から½は自然経過で良好な予後が期待できる。
薬物療法
理学療法
装具療法
神経ブロック注射
整体療法
スーパーライザー
当院は理学療法の中でも特殊な力の使い方(古武術)の整体と神経ブロック注射に替わるスパーライザーを用いて症状の軽減を図ります。
手術療法
・保存療法が無効な場合、手術療法が推奨される。
・除圧手術は下肢の痛みや間欠性歩行の改善が期待できるが、罹患機関が長いと効果が薄れる
・神経障害や排尿・排便障害が現れている場合は手術療法が適応です。
・保存療法(お薬や体操など)で改善が見られない場合、手術がすすめられることがあります。
・「神経の圧迫をとる手術」は、足の痛みや歩くときのつらさを和らげる効果が期待できます。ただし、痛みや症状が長く続いている場合は、効果が弱くなることがあります。


